ヴィジュアライズとは
イノベーションの連鎖により、かつてないスピードで新たなサービスやビジネスが産み落とされる時代となり、デザインやクリエーションに求められる役割が変わってきました。ブランドイメージや製品の魅力を理想的に表現するのみならず、ものやことに潜在する価値や、生み出されるサービスの本質、あるいは、新しい産業やそこに潜んでいる可能性を見極め分かりやすく可視化する力が求められているのです。
私たち日本デザインセンターはこれを「VISUALIZE(ヴィジュアライズ)」という言葉に集約してみます。人工知能はどんなサービスやシステムを世の中に提供するのか、そこにどのような幸福や喜びが生み出されるのか、あるいは、伝統や文化によって蓄えられてきた技や美意識がいかなる価値を持つ資源として、未来に開花していくのか…。
企業やブランドが新たな商品やサービスを構想し、それによってもたらされる豊かさや心地よさを訴求していく局面で、「VISUALIZE」は不可欠であり、専門家の担う役割も重要になります。
デザインやクリエイションの守備範囲も、環境、空間、Web、映像、編集、プロダクト、UX、インタラクションなど多様な領域を横断・融合して広がりはじめています。本展覧会「VISUALIZE 60」は、60年間の仕事を反芻しながら、新たな領域全てを視野に入れつつ進行している現在の仕事や、構想中のプロジェクトを通して、未来を見通し、日本デザインセンターを捉え直す試みです。VISUALIZEというクリエイション、そして私たちのこれからについて、みなさまと共有できれば幸いです。